私の京都弁

03/2/20

 

私は普段喋る時には京都弁を使う。

前からこういうことを1度書いてみたかったのだが、自分が一番良く使う京都弁は何かと考えてみた。

1 そやし
2 いややわあ
3 いや
4 〜え(で)
5 〜しよし(よし)

こんな風なランキングが出来た。

 

一番使うのは、「そやし」ではないかと思う。

これは、だからという意味の接続詞である。
1語ずつ分解すると、

そ=そう

や=だ、である

し=から、だから

と言う意味になる。

つまり、そうだから→そうやから→そうやし→そやし

と変化したものと思われる。

yesというのを「そうや」、または「そうや、そうや」というのも同じだ。
しばしば「そうや」は「そや」になる。

 

そやしは、接続詞であるが、だからと同様、文頭に使う。

そやし言うたやんか(だから言ったじゃないの)

と相手をやんわり責める時に使う。

また、それどういう意味?と聞かれた時に、
そやし…、と言う。

だから、と考えながら意味を説明しようとする時である。

接続詞としても、

「明日は雨らしいえ、そやし傘がいるかもしれへん」

などと使っていることと思うが、ごく日常的に使っているので、いつ使っているのか分からない。
無意識に使っているのだろう。

自分で使って、何となく、あ、また使った、と笑ってしまうような言葉だ。

 

次にいややわあが来る。

これも、あまりにも良く使うので自分でもいつ使っているのか分からないくらい、日常化している言葉だ。口癖かもしれない。
しかし、何となくやんわりしているので、割と好きで、この言葉を使う自分を思わずいいなとナルったりもする。

文字どおり、

いややわあ、何言うてんの、

と相手を責める時に使う。

また、

いややわあ、またやってしもた

と、自分で失敗してしまった時にも使う。

変な冗談を聞かされた時にはいっそう良く使う。
いややわあ、とひとこと言って苦笑するのである。

江戸っ子弁で言えば、あらいやだ、くらいになるのではないか。

低い声でいややわあと言えば、かなり非難を込めた言い方になる。

 

このそやしといややわあが、私のニ大京都語で、私が会話する時は、大体、この二つしか使わない。

いややわあ、そやし、ちゃんとしよし言うたんえ

などと、他の語も入れると、かなりバリエーションがきく。

 

 

ここまで書いて気がついたのは、京都弁でもっとも特徴的なことは、かなり間延びした言語だということだ。

とにかく音を伸ばす。語尾を伸ばす。
あんまり伸ばすので、間延びしすぎて脳味噌の少ない人間が喋っているみたいに聞こえる。

こうして書いている書き言葉と、随分違う。

私の書いていることは、随分しゃきしゃきしているような気もする。
自分ではよく分からないが、かなりきつい物言いをしているのではないか。

書いている時は標準語で考え、書き言葉も標準語だ。
でも私生活で喋る時は、京都人の中でも特に間延びしたゆるいテンポになるのは何故なのだろうか。

 

考える時は確かに標準語なのだが、標準語とは言っても、かなり訛りのある標準語であることを申告しておかなくてはならない。
自分では標準語で考えているつもりだが、イントネーションが関西である。
関西訛りの標準語で、物を考えているのだ。

標準語を知らないのだからしょうがない。

 

だから私の書き言葉は、読むときついかもしれないが、本当は関西弁のイントネーションで読んでいただきたいのだ。

頭の中で考えている時も、文章を書いている時も、実はたいへんまったりとしているので、第三者に読まれる言語とはかなり違っているものと思う。
読むスピードを3倍くらい落としていただければちょうどかもしれない。

 

まあ、そういうわけなので、自分でも会話の時と、書き言葉の時の落差の激しさに戸惑いを感じずにはいられない。
いややわあ。


3番以降の、いや、え、しよし については次回(っていつ)

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