最近のドール事情1
リカちゃん
05/11/5
最近、人形界はかなり動いている。業界は再編、構造改革、買収、統合で大変なことになっている。
そこで、最近の人形界をまとめて展望してみることにした。第一弾はリカちゃん。(でも続くかどうかは分からない)
*
タカラが、トミー(だったか?)と統合するという話はどうなったのだろうか。
業界一位のバンダイとはかなり溝を開けられ、また少子化の煽りで、タカラは人形の売上が激減しているという噂があった。
そのさなかにもコンスタントに発売を続けられていたのがブライスとリカちゃんだ。
リカちゃんは、タカラのドル箱であり、永遠に変わらない少女のお友達なのだ。
しかしリカちゃんの変化は、中国製が入って来たあたりから出て来た。
タカラのいわき工場が閉鎖*になり、以降、低価格ラインのリカちゃんは中国製のものになり、パッケージにMade in Chinaの表示がつくようになった。
*今でもキャッスルドールなどは生産されているようだ。
日本製のものも時々は生産される。
着物リカちゃんとか、限定リカちゃん、旧ファッション・カレンダーなど、少し高級感のあるものが日本で生産されているという。中国製が出回り始めた時(2001年頃)、そのアイプリントが日本のものよりも劣っているということで、ずいぶん不満が横溢したことがある。
確かにはっきりと日本製と中国製が区別できるくらい、可愛さにおいては差があった。最近ではこの差はかなり減って来ており、中国製もそこそこのものが出現している。
けれども、日本製と比べると、まだ中国製と判別できるほどだから、満足の行く出来にはなっていないと私は思う。もうひとつの問題点は、限定品の濫発だろう。
リカちゃんクラブ67や、リカちゃんキャッスルあたりで販売される限定品なら、まだ納得出来るが、名古屋限定とか、どこそこ女学院限定だとか、地方限定、または花の種の会社とのコラボレーションでの限定など、各地でややこしい限定をあまりにもたくさん発売しすぎている。
これはユーザーを喜ばせるというよりも、混乱させることにしかなっていないと思う。
それぞれに入手方法が異なり、簡単には買えず、場合によっては販売されていることが通知されないし、一般ユーサーには発売されていることさえ分からない。
よほどのリカちゃんファンでない限り、そのような入手困難な限定品には飛びつかないだろうし、そうなれば、限定だからと言って喜んで買う消費者の存在自体が少なくなることだろう。
そういう少ない数の消費者目当てに発売しているなら、一般の人にはいつまで経っても行き渡らない。
一般のファンは、リカちゃんの魅力に気づかないまま、中国製のリカちゃんを見て、リカちゃんは可愛くなくなった、と、リカちゃんから離れて行くだろう。リカちゃんは、限定品ばかり(だけ)を出して、消費者を釣ってゆくブライスのような商品ではない。
子供のおもちゃであるし、同じ売り方をしては良くないのではないだろうか。リカちゃんがドル箱で、その商品を慈しんでいて、大事だと思っているのなら、販売方法を、ぜひとも再考してもらいたい所だ。
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