8/

02/8/11 フィギュアスケート不正問題再熱…だが
02/8/26 再考 フィギュアスケート、アイスダンス問題

02/8/26 再考 フィギュアスケート、アイスダンス問題

しつこいがこの前のフィギュアスケート関係の発言について
(ソルトレイクでの)アイスダンスにおける不正の可能性を考えていた時に、どうしてもフランスとカナダという図式で考えてしまっていた。というか、私にしてみれば考えざるを得ないのだ。
そんなで私の発言はかなり混乱があったようだ。

というのも、長野オリンピック(98年)の時、フランスが3位になり、カナダが4位になって(選手は同じアニシナ・ペイザラーとボーン・クラッツ)カナダが不当であると騒いだ、という経緯があったからだ。

ロシアがフランスに、"ペアに点数を入れてくれ、アイスダンスではロシアがフランスに点を入れるから"と持ちかけた、とされているが、それがどうも、どのようにしても腑におちないので、フランス―カナダという図式を持ち出したのだ、とも言える。

ロシアは、アイスダンスにおいて、どのようにフランスに勝たせようとしたのか。
それが分からない。

アイスダンスでは、フランス、イタリア、ロシア、カナダのそれぞれのカップルが上位にいた。

優勝争いは、私の感じでは、フランスかイタリアだった。
ロシアは、イタリアに入れる(はずの)点をフランスに献上する、というつもりだったのか。
それともロシアに入れる点をフランスに入れてあげようということだったのか。
そこがどうしても分からない。

その上、実際にはロシアの審判は、フランスに入れずロシアのロバチェワ・アベルブフ組に点数を入れた。

ロシアが入れなくても、フランスは9人中5人の審判から1位をもらった。
結果的には、「不正」の入る余地のない優勝だったと今も私は思う。
しかし、アメリカのマスコミは、どうしてもフランスから金メダルを剥奪しないではすませない、という勢いである。
遠からず、アニシナたちの金メダルは(今ごろになって)剥奪されるかもしれない。
(そうなると、しつこいがカナダ組は銅メダルを貰うのである)

しかし、誰でも思うと私は信じているが、たとえアニシナが件のロシア人(逮捕されたブローカー)の愛人であったとしても、彼女の獲得したメダルは実力で勝ち取ったものだったと。

(そんな男と付き合っていたアニシナが悪い、という思いはあるのだ)

 

 

サッカーのW杯が終わって、今ごろイタリアのファンの間で、モレノ審判*を不正で起訴する話が出ているという。

*トッティを退場させた、韓国×イタリア戦の審判

この話も、何で今ごろと思う。

確かにW杯の最中は、私はずる勝ちした韓国に対して憤怒が納まらなかった。
しかし、あのことに関しては、イタリアやスペインには気の毒だが、2002年のW杯では韓国は、12人目の選手によってベスト4まで行った、ということが事実として記憶される。
それでいいではないかと思い始めている。

もう、スポーツの勝負の話はその時で終わりにして欲しいというのが私の気持ちだ。

 

ソルトレイクの時は、ショートトラックで失格処分を受けた韓国に対して同情し、アメリカの横暴だと憤りを感じた。

それは、不正というよりは、不正確なジャッジが公正を欠いていたからだと思う。
不正確で公正を欠く、それが私の憤る点であって、国の如何は関係ないのだ。
それがアメリカならアメリカに憤るし、韓国なら韓国に憤る。
それが自分の目に見えて明らかなら、怒る。

 

でもフィギュアスケートは?

それはこの前に言ったとおりだ。
ペアのジャッジは、北米がマスコミでキャンペーンを張らねばならないほど不正確だったとは思えないし、アイスダンスの結果は正しいと思った。

以前、フィリップ・キャンデローロが、自分は(長野で)審判のおかげで勝てた、と言ったという。

しかし、あの時の競技を見ていた人はいるだろうか。

彼は、審判のおかげでしか3位になれない演技だっただろうか。

長野では4回転を飛んだのはイリヤ・クーリック一人。*

*優勝争いをしていた人の中での話

トリプルアクセルからトリプルのコンビネーションを飛んだのはストイコとキャンデローロ二人だけ。
しかもストイコは調子を崩し、ステップなど明らかに雑だった。
私は、ストイコは明らかに名前で得をした、と思った。
名前で2位をいただいたと。

キャンデローロの3位は、誰が見ても妥当としか言いようのない3位だったではないか。
キャンデローロの発言は、ジョークだったのだ。

ちなみに4位だったエルドリッジは、トリプルアクセルからのコンビネーションではダブルしか飛べなかった。
それでキャンデローロの上へ行けるはずがない。

演技を見ればすべてが分かる。
その時の競技を見れば、すべては明らかなのだ。

 

02/8/6〜8/11 フィギュアスケート不正問題再熱…だが

8月に入って、もう収束していたかに思えた、あるいは忘れられていたはずのあのソルトレイク・フィギュア不正問題が再びニュースで取り上げられた。

アメリカの新聞が、ロシア人のブローカーを逮捕したということ、そしてその人物が、ソルトレイクオリンピック、フィギュアスケートのペア、及びアイスダンスでの審判不正問題に関係していたと報じた。
それによって、あのソルトレイクでの審判不正問題が今ごろ再熱して来た。

 

アイスダンスのフランスと、ペアのロシアとの採点で取り引きがあったということは、オリンピック期間中にも囁かれたことだった。

ロシアが、フランスに、ロシアのペアに採点をしてくれるように頼んだ。その見返りとしてアイスダンスのフランス組にロシアが点数を入れるから、というような取り引き内容だというのだった。

改めて言っておくと、不正問題と言っても、不正があった、という事実はまだ証明されていない。
ましてや「アイスダンスでの審判不正」と言っても、それがあったのかなかったのかさえ、はっきりしていないのだ。

 

ただ私は以前から…長野オリンピックの時には既にアニシナ・ペイザラーのファンだったし、それをこのサイトでも言って来た。だから、私もこれらの報道はとても気になったし、自分なりにこの問題と、報道をどのように受け入れるべきなのか、考えざるを得なかった。

何だか硬い表現になっているが、要するにファンである以上、報道に対し、どういう態度であるのか、自分の気持ちをちょっとでも示しておきたい、示すべきかもしれない、と思ったのだ。

 

ただ今の段階でも真実は明らかでなく、私の気持ちも多分まとまっていないと思う。
自分の結論も出ていないままなのだ。ただ思うことだけ行き当たりばったりに書きとめてゆくことになるだろう。
または、続きがあるかもしれない。

 

ペアに対してもいろいろ思うことはあるが、それを書くと限りなく長くなってしまう。
今回はアイスダンスが問題になっているので、アイスダンスについてのみ思うことを書こう。

***

 

ソルトレイクでアイスダンスの競技が始まった時、既にペアの不正問題が発覚したあとだったので、選手たちは周囲の好奇の目の中で演技を行なうことになった。

規定(コンパルソリー)ではアニシナ・ペイザラーが1位、イタリアのフサルポリ・マルガリオ2位、ロシアのロバチェワ・アベルブフが3位、カナダのボーン・クラッツが4位だった。

第2課題のオリジナル・ダンスでも順位は変わらず。
第3番目のフリーダンスではイタリアが転倒、カナダも転倒があり、結局最終順位は2位がロシア組、3位がイタリアになった。

この順位は誰が見ても順当で、私たち(フィギュアファン)があまり注目していなかったロシア組の健闘が光った。
しかし、演技(の良さ)からしてロシアの2位は当然だっただろう。

ただ1つ、思うのは最初の規定でカナダのボーン・クラッツが4位と出遅れたことだった。
規定で、カナダ組はそんなに良くなかったのかどうか。

(これは、ビデオを見なおしてみないと分からない。今見なおす時間がないので残念だが、見てみたならばすぐに分かるだろう)

 

ただ私が思うには、もし不正があったとしたならばここ、この規定での段階だと思う。

この4位という順位で、カナダのクラッツ選手は非情にがっかりし、やる気を失ったようなのだ。
もし彼らが3位以内に入っていたら…

だがもう1つ、オリジナルダンスでのボーン組の表現にはやはり限界があった。
ヨーロッパ勢のタンゴやフラメンコの演技の素晴らしさに対し、ボーン組はどう贔屓目に見ても明らかに見劣りがした。
タンゴというより、自分たちの得意の表現に逃げていた、としか言いようがなかった。
あれでは到底優勝争いは出来るまいと私は思った。

 

それが、優勝争いに加われるはず、と彼らが確信したのは、オリンピックの直前に行なわれたグランプリファイナルで優勝したからだった。
しかもアニシナ・ペイザラーを押えての優勝だったのだ。

だが、この時のファイナルが行なわれたのはカナダ(12月、キッチナーという所)である。
例によって、ホームタウンでのデシジョン。
しかも、オリンピックとは微妙に採点方法が異なった。

このカナダでのファイナルでは、ペアでもサレー・ペルティエが優勝、ミスしたロシアのベレズナヤ組が2位となった。

ソルトレイクは、カナダにとってはこのファイナルの結果をふまえての、満を持して臨んだ大会だったのだ。
場所はアメリカであるから、当然カナダに対して「甘い」結果となるだろう、と期待していたのではないか。
それがそもそものスキャンダルの始まりだったと思う。

***

 

フィギュアスケートはロシアのスポーツである。

ロシアで始まったのかどうかは知らないが、従来、ロシアが断然強く、またロシアのものさしによって、いろいろな演技、パッセージの質が計られて来たと思う。
ロシアがフィギュアスケートのお手本だったのだ。

このことがいいのかどうかはともかく、私はロシア式の、バレエを基本にしたフィギュアスケートの形が最良だと思っている。また、世界(の人々)もそうだと、今まで異論を挟むことはなかった。と思う。

私は、はっきり言って、ティモシー・ゲーベルのような選手が嫌いである。
ジャンプだけ出来て、あとはほったらかし、のような演技は私には最悪のものに写る。
そのような演技は、フィギュアスケートを違う方向へ…悪い方向へと導く。
だからあのような選手は出て来て欲しくない、とまで思っている。

フィギュアスケートたるもの、ロシアを手本にしてほしい、それが私の考えなのだ。

*

ロシアも、当然フィギュアスケートというスポーツは、我々のものだという矜持を持っているだろう。
だからロシアがいつでもチャンピオンでなくてはならない、と思うかもしれない。というか、思ってもごく自然と言えば言える。

また、ロシアが(他国に)チャンピオンの座を明け渡すとなれば、恥だという感覚もどこかにあるかもしれない。
そのような感情が交ざって、「不正」を働いた、という可能性は、なくもないと私は思う。
というか、多いにあり得るだろう。

特にペアは、オリンピックではロシアがずっと優勝し続けて来た。
いや、ペアにおいて、ロシアが優勝しなかったことはなかったのだ。
だから当然、ソルトレイクでもロシアは優勝しなければならなかった。

ベレズナヤ選手は、そんな重圧を背負って練習し、演技を続けて来た。
これまでの、堂々としたロシアのペアの優勝選手のように、優勝することを義務付けられて出場したのだ。
長野では、同じロシアのカザコワ・ドミトリエフと競って破れた。
土壇場で弱さが出るペアである。

 

表彰式で、(確か)きょとんとしていた彼女は、自分が本当に金なのだろうか?
と問いかけていたようだった。
ダブル優勝が決まり、その表彰式で、彼女は笑顔になった。
やっと肩の荷が下りたかのようだった。

選手こそが、可哀相である。

自分の点数が、自分が努力した結果ではなく、審査員の手心かもしれない、などと疑ってしまうというのは、不幸である。

*

今回のロシア人逮捕の報道で驚いたのは、いとも簡単に、(フランス優位にするために)3人くらいの票は集められる、などという言い方だった。

選手が毎日努力して、演技を磨いているというのに、その結果の点数は、そんな簡単に審判のいいように、また誰かの都合の良いように操作されているのだろうかということだった。
それが残念でならない。

そんな票が、選手は欲しいのだろうか?
不正をしての金が欲しいのだろうか?

もし、(不正によって)金を取らせて上げる、と言われたら選手は喜ぶのだろうか?

***

 

フィギュアスケートの審判は9人、さまざまな国から選ばれるが、ソルトレイクでのペアの審判は、ロシア、フランスの他、中国、米国、ポーランド、カナダ、ウクライナ、ドイツ、日本だったという。

ロシア組に1位をつけたのは、ロシア、フランスの他はポーランド、ウクライナ、中国。

ポーランドとウクライナは因果を含められていた、という見方が多いが、私は違うと思う。
これらの国はロシアの文化圏であって、演技の良し悪しもロシア式の判断をするのが伝統になっていると思うからだ。

不正や、取り引き以前の所で、ロシア文化圏というものがあると思う。
それは今までフィギュアスケートを引っ張って来た国の力であって、それを否定する権限は誰にもないだろう。
ロシア式のスケートは今まで、スケート界ではそれが基準となって来たと思う。
だから、ロシア系が評価されるのはある意味、自然なことと思うのだ。

 

アメリカ、カナダはマスコミの力を借りて、このロシア文化圏に挑戦したのだろう。
だが、その仕方は間違っていた。

もしロシア式のスケートを否定したいのなら、自分たちのスケートの方がより良い、ということを、世界全体に浸透させるべきだ。

世界には、私のようにフィギュアスケートは美しく、優雅で、スポーツである以前に芸術だという考えの者が、沢山いるであろうと思う。
ロシア的なスケートが最上のものと感じる者は、ロシア圏以外にも沢山いることと思う。

北米の目指すスケートが、ゲーベルのようなジャンプなどの技術オンリーで、技さえ出来ればよくて、美しさもなければ面白味もないものだとしたら、私はそんなものはやはり、どこかへ消えて欲しいと思う。

 

たとえ不正をしてでもロシア式のスケートを守りたいという考えは邪ではあるが、気持ちは分かる。
私は、カナダのアイスダンスや、ペアには魅力を感じないからだ。
それよりはロシアのそれらの方がより良く思える。

だから、もし将来的にアメリカやカナダのスケートが幅をきかせることにでもなれば、ロシアにはどしどしと不正をしていただきたいとまで思う。

 

だが…

もちろんスケートはスポーツであって、ジャンプをどれだけ飛ぶのか、4回転をどれだけ飛ぶのか、どこで選手がミスをするかだけが楽しみで見ている者もいることだろう。

北米的なスケートをする者が増えれば、それらが基準となることもあるかもしれない。
アメリカはそうしたいのかもしれない。

しかしアメリカは、自分たちのスケート(北米式のスケート)がロシア系よりも確実に良いから、ジャッジは北米のスケートをロシアよりも評価すべきだと言いたいのか。
それともただ単に、ロシアに勝ちたいから、ロシアより上回りたいから、このようなマスコミによる圧力を演出するのか。
私には、どうもただ勝ちたいからという風に思えてならない。

それと同じように、ロシアも、自分たちのスケートが最上の、という前に、北米に負けたくない、という一心なのかもしれない。
それであれば、どちらもどちらなのだが。…

 

アイスダンスについてのみと言いながら、他の話になってしまった。

02/8      TOP /

2style.net