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2/27 バービーはどこへ

 2/27 バービーはどこへ

バレンタインデーに、バービーとケンが43年目の破局、という報道が世界を駆け巡った。我が地方の新聞、京都新聞にさえ写真入りで報じられたのだから後は押して知るべしだ。

バービーとケンが婚約を解消するということ以上に、私にはこの報道ぶりが興味深かった。
まるでトム・クルーズかシュワルツネッガーにも匹敵するニュースバリューだ。
バービーは、新聞が報道するくらいの、有名人なのだ。
それは確かにマテルの戦略なのかもしれないが、それにしてもたかが人形なのに一流というか、ごく普通の日本の新聞にさえ、大ニュースとして載ってしまう。
あらためて、バービーというのはすごい存在なのだと思った。

リカちゃんだって妊娠してお母さんになった時は報道されたものだが、それとはケタが違う。
バービーの底力だろう。何しろ婚約破棄というだけでこの騒ぎなのだ。尤も、トップクラスの人気者の婚約が43年も続けば、騒ぎも当然なのかもしれないが。

 

日本では2000年から始まった、バンダイとの契約が2003年で終了した。2004年からはマテルインターナショナルが業務を引き継ぐことになった。
1991年にマテルジャパンがアメリカのそのままのバービーを販売することになってから13年。
新しい会社から発売されたバービーを買ったが、紙切れ1枚が入っていて、それが新会社であることを匂わすのみ。

まだ宣伝も、顧客サービスも、何も出来ぬ状態であるらしい。
当然だろう。
バンダイのような、おもちゃ会社としてノウハウを心得た戦略など望めないのはしょうがない。
ともあれ、新会社となっての初荷が発売されている。

コレクタブルと、プレイラインの二本立てで行くのはマテルジャパン、バンダイと同じ路線のようだ。
価格設定が良心的で、プレイドールはとても安いし、コレクタブルはそんなに高くない。
ちょっと期待してしまうので、頑張って欲しいものだ。

ただアメリカで発売されている婚約破棄の宣伝となったCali Girlsは日本では正式発売されいないみたいだし(されたのかな?)、マイシーン・シリーズは、トイザラスで発売されたが、その後新作が出ない。どちらもそれなりに売れそうに思うが、どうなのだろう。

 

アメリカでの知名度と需要にも関わらず、日本ではバービーの販売は常に苦戦して来た。
今さらでもないけれど、八頭身でにっこり微笑むバタ臭い顔のバービーは、日本の少女には馴染みきれないものだったのだろう。

マテルジャパンがバービーを発売することになった時は、大人のコレクターは、コレクタブルドールが手に入れられる、と喜んだものだが、やはり人形の売り上げは大人より子供。
その子供のターゲットを、どうしても開拓することが出来なかった。

バンダイの最後の方は、このプレイラインのバービーがひどいものだった。
日本のジェニーたちの、ユーザーの嗜好を確実にリサーチしてとり入れたナイスな戦略と何という違いだっただろう。
私でさえ、何となくバービーが哀れになったものだ。
日本とアメリカの、文化の違い。
つくづく考えさせられた。

ブライスや、タイラーなどのコレクター用のドールと、バービーはまた違う。

本当は、日本のユーザーにはバービーはこうした人形たちと同じ認識をされていると思うのだが、バービーは、子供向けプレイドールとしての宿命もあるのだ。
コレクター用と、子供向け。この二つを両立していかなければならないのだ。

私はむしろ、そんな足かせをはずして、コレクター向け一本でやっていったらどうかとも思う。
デパートの売り場を占領するにはそれなりの資金がいるだろうけれど、コレクター向きのショップでなら売れるかもしれない。
大量輸入を止め、ユーザーに供給できる程度の数だけ、仕入れる。売り切れご免で、限定数しか入れない。
つまり、今のブライスやタイラーと同じように売ったらどうかと。

アメリカでの話題と大量の需要とは裏腹に、日本でのバービーの、あまりの惨状につい、いろいろ言いたくなったのだった。

 

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