07/11/15 スポーツ放送について

07/11/15 スポーツ放送について

フィギュアスケートのテレビ放送について、ずっと以前に不満を書いたことがある。

昨今のテレビ放送を見ると、その時よりももっとひどくなっていると痛感する。

だからもう何を言っても無駄だと最近では諦め気味になってしまった。

本当は、そんなことではいけないのかもしれない。
テレビ局に抗議をするなり何なり、もしかしたら視聴者が行動を起さなくてはならない時が来ているのかもしれないけれど。

 

私はもともとスポーツが嫌いなので、テレビのスポーツ放送は、フィギュアスケートや体操競技、陸上、駅伝などのように、限られたものしか見なくて、あとのものは殆ど見ないと言っていい。

野球の結果が僅かに気になるが、中継はだらだらとしているので、途中で一瞬点数の確認をする程度で、結果は翌日の新聞のスポーツ欄で済ましてしまう。
例外的に、マラソンや駅伝は、見るチャンスがあると見てしまう。

そのほかはまったく見ない。

だから、例のボクシングの亀田選手の試合もまったく興味がなくて見ていなかったのだが、そのテレビ中継は、噂によると亀田選手の歌を放送したり、練習風景(?)を放送したりだそうで、むしろボクシングの試合の中継というよりは、亀田一家のドキュメンタリー放送であり、ドキュメンタリーの一部としてボクシング試合も入っている、というような構成になっているのではないだろうか。

実際のテレビ放送を見ていないのではっきりとしたことは分からないが。

 

スポーツの放送は、もはやスポーツ中継をしていない。ドキュメンタリー形式で、ある選手を追いかけ、その中に試合中継を少し入れる、というやり方が中心になってしまっている。

フィギュアスケートの放送でも同じだ。

浅田真央なり、安藤を、練習や試合前の準備の様子を追いかけ回し、その合間に(ついでに)試合を入れる。

ひとりの選手をクローズアップしてその選手のストーリーを作り上げ、それを中心に構成する。

そういうやり方がまかり通っている。

何故かと言えば、そういうやり方が視聴率を上げる、とテレビ局が信じているからだろう。

フィギュアスケートもボクシングもマイナースポーツであり、そのまま試合だけを中継したのでは視聴率が取れない、とテレビ局は思っている。

だから視聴率を上げるため、無関心な視聴者をこちらに向けるために、あれやこれや、いろんな手で視聴者の興味を引く方法を考える。

スポーツの試合では結果がどうなるかが分からないものなのに、テレビ局は勝手に台本を作り、その台本通りに番組を進めて行き、現実の試合中継を無理矢理その台本に当てはめようとする。

 

そこまでテレビ局がお膳立てをしてやり、いちいちストーリーを作り、それに当てはめなくては視聴者が理解することが出来ない、とテレビ局は思っている。

そうしなければ、視聴者がついて来ないと思っている。

テレビ局は、それほど視聴者が馬鹿だと思っているのだ。つまり、視聴者を舐めている。

以前見たスポーツ中継では、煽り文句で「○○が今日、優勝へ!」というテロップが出て驚いたことがある。

他にもその競技をしている選手がいて、誰が優勝するかは分からないのに、ある選手だけを取り上げてそのような煽り文句をつけているのだ。

まだ優勝「へ」と、「へ」がついているだけマシかもしれない。

まだ優勝が決まっていない試合にさえ「○○優勝!」などと、煽り文句が入ることさえある。

 

このような番組の作り方は、何もスポーツ中継だけではない。

すべての番組でシナリオでお膳立てを作って、番組を構成している。

以前話題になった、「あるある大事典」の問題でもそうだった。

あらかじめ、結論ありきで結果が用意されていて、それに当てはめて都合の良い実験をする。或いは、実験自体を捏造する。

レポーターのインタビューも同じような傾向がある。

あらかじめ、どういう答えを導き出したいかが先にあって、その答えを期待してインタビューをタレントなり、何なりに突き付ける。

タレントがどんな答えをしようが、自分が期待した答えをタレントが口にするまで、インタビューを止めようとしない。

テレビ局が、自分たちの用意した結果や結論を押しつける、そんな番組づくりが普通になってしまっている。

 

テレビ局にとって、スポーツ中継はバラエティ番組のひとつであって、見世物であるから、ほかのバラエティに対抗するため、バラエティのような作りになって行く。

フィギュアスケートもスポーツではない。見世物に過ぎないから、これから浅田真央がトリプルアクセルを飛びます、安藤がセクスィーに演技します、と言って呼び込みをする。

猿の猿回しと同じだ。

それが嫌ならお金を払ってデジタル放送を見て下さいと言う。

でも、スポーツ番組であれ何であれ、このような見世物めいた作りの番組ばかりで、あくどいつり文句や無意味な連呼や、大げさな前フリの番組構成ばかりを放送していたのでは、中味のないことなど、やがては視聴者が気づくことになるはずだ。

無理矢理な番組作りばかりが横行すれば、やがてそれらのからくりはばれ、視聴者に飽きられてしまうはず。

視聴者はそれほど馬鹿ではない、と誰か言うものはおらんのかな。

もうそろそろ、少なくともフィギュアスケート・ファンは、フィギュアスケートの地上波中継を見るのはやめにして、最低限録画だけにしておくべきではないだろうか。

ほんの少しの抵抗のためにも。

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