06/12/24 DVDレコーダーとの格闘

06/12/24 DVDレコーダーとの格闘

DVDレコーダーを買ってだいぶ経つ。

これはハードディスクというものが付いていて、それに映像を記憶する。

ビデオカセットも、ディスクも要らず、録画ボタンを押すだけで録画出来てしまう。そのように、DVD録画はとても簡単である。

また、予約録画も簡単だった。

Gガイドとかいうのがついていて、これは、あらかじめ各テレビ局の番組を、機械が覚えている(?)。

一週間分くらいの番組が、スクロールするごとにボタンを押すとずらっと画面に表示される。録画したい番組にカーソルを合わせ、予約決定ボタンを押すと、それで予約出来る。

ビデオみたいに何時から何時まで、といちいち手動で入力しないでいいし、Gコードみたいに数字もいらない。何もせずにただモニター画面に映すだけで録画出来てしまう。(Gガイドについては初期に大変な困難があったが)

このように、録画についてはDVDというものはあまりにも簡単であった。

だが簡単なだけであとが大変なのだった。

 

すぐにハードディスクがいっぱいになり、常に飽和状態になっている。

トリノ・オリンピックで撮ったフィギュアスケートがずっとHDの中に置いたままだ。

(ちなみに、それぞれの種目の本番、ダイジェスト、総集編の殆どすべてを録画してある。)

HDがいっぱいになれば、削除するか、ディスクなどに転送して映像を保存しなければならない。そうしなければ、HDが一杯のままでは新しく録画が出来ないからだ。

ところが、このHDからディスクへ録画しなおす、のが面倒くさい。

もう、何が面倒と言って、このHDからDVDディスクへ焼き直す、くらい面倒なことは世の中にないであろう。

3時間も4時間もある番組を録画しなおすには、また同じだけ時間がかかる。

その分よけいに電気代もかかる。

その上、ディスクに録画する時に、ディスクを選ぶのがまたひと苦労なのだった。

 

ウチのレコーダーはDVD-R、DVD-RWというディスクが使えるが(どこのレコーダーでもそうなのかもしれない。よく知らないので勘弁)、これをどう使い分けるかで何日も悩む。

DVD-Rは1度しか録画出来ない。その分安い。

DVD-RWは何度でも録画可能の、今までのビデオカセットみたいなものだ。でもその分、値段が高い。5枚で1500円くらいする。

さらに、これらのディスクで2倍速しか録画出来ないもの、4倍速まで録画出来るもの、8倍速から16倍速まで録画可能なもの、とバリエーションが無限にある(値段もアップしてゆく)。

いざディスクでも買おうと気楽に電気店へ行っても、現場を見ると恐怖に陥り、気が触れそうになる。

 

同じようなディスクが延々と売り場に山積みされており、どれがどれなのか見当がつかないのだ。(録画用でなくて、謎のデータ用などというものまである)

焦ってあがってしまい、自分が買うべきDVDディスクがどれだったかを、すっかり頭から蒸発させてしまっている。

目が回り、足が震え、手がわななき、混乱して、どのディスクが自分のレコーダーに相応しかったかを、あらためて小一時間店頭で悩む。

さらに、DVD-RとDVD-RWのどちらを買うべきかで小一時間悩む。

どのメーカーのディスクを買うかで小一時間悩む。

そして、何枚組のものを買うかでさらに一時間悩む。

だから電気屋の店頭では、毎回電気屋へ行くたびに合計で4時間、その場で悩む。

そのようにしてほうほうの体で買って来たディスクを、どのように使うかでまた自宅で悩まなければならない。

 

どの映像を繰り返し録画のディスクで撮り、どの映像を上書き不能ディスクで撮るか、これを突き詰めることはプロメテウスの受けた苦痛のように、永遠にケリのつかない苦しみに満ちた拷問だ。

その挙句に実は消しても良い録画を、上書き不能の安いディスクに録画してしまった時の(さらにソースのHD映像を即刻消去している時の)喪失感ときたら、並大抵のものではない。

プロメテウスの苦悩に苛まれながらようやく録画したディスクが間違っていたなんて。

 

このようなことを繰り返していたら、どの映像をRで撮り、どの映像をRWで撮るかの区別が分からなくなってしまい、その結果すべての作業を放棄してしまい、HDが満タン状態で新しい録画が出来ない、という状態が常に続く。

そのままビデオかディスクに録画することは出来ないのか。

いや出来るのだろうけれど、その作業を理解するのに1ヶ月かかるであろう。

 

断言するが、残しておきたい映像を残し、保存しておいたとしても、その映像を再び見ることは殆どないであろう。

ビデオ時代に、これは録画しておこうと思い、残しておいたビデオが一度も再生されることなくゴミの山と化していることから推し量れば、このことは確実に事実であると言える。

この目を背けたいような過酷な現実。

それでも録画しておく意味はいったい何なのだろう。

DVDレコーダーをいじり始めると、最近はこのような哲学的な問いを自分に問いかけ、自分を追い詰めることが日常化している。

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