Doll Maniacs

Opinion

スタンダードジェニーはなぜぶさいくか 
Is Jenny not so pretty? 99/12

下記はHP開設時に書いた気負いの一文です。
ひどいことを書いていますが…

文中の誤りなどは訂正しています。 02/3


私が始めてジェニーを買ったのは、多分1991年のことだっただろう。

その時はなにも知らず、なにも分からないまま、ただ欲しいの一心で(ヴィンテージバービーのドレス着せたさに)買ったのだった。

が、分からないなりに、これは少し…というある疑念が心の中に、払っても払っても沸き起こってくるのを、私はとめることが出来なかった。

「ブスだ」

やっと手に入れたジェニー。恥ずかしい思いをして買った最初のジェニー。それはお腹を痛めて生んだ我が子のごとくに可愛いはずだ。

なのに冷徹な現実は、夜目遠目の私の目を打ち砕き、事実を突きつけて来る。

「ブスだ」

どう見ても、どう贔屓目に見てもそれはブスだった。

ブスとしか言いようがないほど、ブスだった。

***

 

のちに、91-92年にかけてのジェニーは、ブスジェニーと言われているほど、ひどいプリントであったことが、判明した。

それほどひどいプリントであったが、今ではそれはジェニーファンなら誰でも知る事実である。

ジェニーのフェイスモールドなどいつでも同じ、のように見えるのだが、実はそうではない、ということが、この92年騒ぎで判明した。

ジェニーの顔は、その時々で微妙に変化しているのだ。

バービーのように大々的に予告を打ってチェンジする、という訳ではないので、言ってみればマイナーチェンジと言えるだろう。

ただ、言える事はマイナーチェンジにせよ何にせよ、基本の顔型というのはあり、それはバービーという名で登場した時から今まで、基本的には変わっていない、ということだ。

今年になってエンジェル何とか*という、言語道断な、みっともない顔の人形が発売になったけれども、それまで、発売以降、極端な変化はなかった。

そしてこのジェニーをスタンダードジェニーとすると、このスタンダードジェニーこそが、問題なのであった。

*エンジェルズガーデン。もちろん人によって意見は違うと思う。

 

人によって、美醜の感覚の違いはあるだろう。

美意識の違いはあるだろう。

人間、千差万別であるから、ある人が醜いといっても、別の人は美しい、と感じることだってないとは言えない。

それは、分かる。

私だって石頭ではないから、分からないでもないのだ。

だが、スタンダードジェニーは…。

ブスジェニー騒動でも明らかになったことだが、もともとスタンダードジェニーのモールド自体がいわゆる、あれなのである。

あれだから、どうかするとああいう、特別にブスな顔にもすぐなってしまう。

もともとブスな顔だった、と、この際はっきり言ってもいいかもしれない。

私にはどうしても分からないことがある。

どのような人が、どのような美意識で、あれをスタンダードのジェニーのフェイスモールドに選んだのか、ということがである。

或いは大量生産の際に、描きやすい顔、という訳があるのかもしれない。

私は、たとえば、オリーブや、ルイーズや、エリーゼのフェイスモールドがスタンダードジェニーのモールドだったとするならば、こんな風な文句は決して言わなかっただろう。

フレンドドールにはかわいい顔がいっぱいいる。

そのことに、なんの不満もない。

ただ、なぜ、スタンダードジェニーが、あれなのか。

***

 

私が不満とするのは、

かわいい顔を描こうと思えばいくらでも描ける。それはフレンドドールの出現で証明されていることだ。

それなのに、メインのジェニーをあのようなフェイスモールドに固執している、それが理解できないということなのだ。

メインのジェニーをなぜ可愛くしないのか。

なぜ、あのようなぶさいくな顔のままずっと放置されているのか。

かわいい顔を描こうと思えばいくらでも描けるというのに。

エクセリーナというタイプのジェニーがある。

これはアンティックタイプのジェニーで、大変かわいく、人気がある。マリーンも同じモールドで出来ている。

このエクセリーナをなぜスタンダードに出来ないか。単発的にエクセリーナを発売するくらいなら、いっそこれをスタンダードにした方が喜ばれるのではないか。その方が売れるのではないのか。

***

 

まあそこにはメーカーの事情というものもあるのかもしれない。

先ほど言った、大量生産というラインに、エクセリーナは、或いは乗らないモールドなのかもしれない。

それにしても、今のスタンダードジェニーは、何とも購買欲をそそらないモールドではないか。

はっきり言って、どのようにマイナーチェンジがされようと、スタンダードジェニーはぶさいくである。そのことに変わりはない。

それは何といっても否定しようのない事実である。

だからこそ私達はフレンドドールとか、エクセリーナだとか、エイティーンだとかの発売を、心待ちにするのではないか。

私が推測できる、スタンダードジェニーがぶさいくでありつづける理由の唯一のものは、これである。

ジェニーの周辺ドールを売る。

スタンダードジェニーがつまらなければつまらないほど、周辺ドールたちは価値のあるものになる。コレクターズアイテムになる。

これではないか。

私の推測であるから、どうせいいかげん極まりないが。

それではこの辺で、おあとがよろしいようで…。


追記 02/2

これを書いた99年の時点から、ジェニーの世界もバービー同様、様変わりして来た。

でもまず、私自身がスタンダードジェニーはそれほどきらいではないと言っておかなくてはならない。
数は少ないけれど、私もスタンダードものを持っている。

ひところのフェイスペイントは好きになれないものもあったが、スタンダードはスタンダードで、愛らしいものだと思うし、スタンダードの逸品は数多い。

近年はスタンダードも顔が可愛くなった。
とくにナチュラルボディ仕様のジェニーは、中国産であるものの、ノーマルジェニーよりも可愛いので、フェイスペイントも評判になった。

でも、本当のスタンダードのジェニーはいつの間にか生産が少なくなって来ているという。
2002年度のカレンダーガールなど、マリーン、キサラ、18ジェニーというラインナップになっている。スタンダードはおよびでない、というような有り様だ。
ナイスジェニーのコレクションにもスタンダードジェニーの姿が見当たらない。
そういえば、店頭でかつてのジェニーを探すと、案外ないような気がする。

スタンダードはどうなったんだ?と心配する人もいるのではないか。

いつか、スタンダードジェニーがレアものといわれる日が来るかもしれない。(ホントか?)

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