Doll Top

Collector Edition  Grand Entrance series

Grand Entrance by Carter Bryant 2001 5/5

浜崎あゆみが持っていたとか何とかいうことで一躍有名になったこのバービー。
アメリカで50ドル前後なのに日本でトイザラスで買えば5499円と、日米の経済差が殆どない、ということでも話題になった。

値段を押さえたことと、コレクターのガイドブックがついていることで、マテルジャパンは、コレクターエディション・バービーのコレクションのための入門的な役割を担わせているようだ。

私は、これを買うつもりは全くなかったのだけれど、「アメリカより安い」という値段に意味もなく誘惑され、買ってしまったのだ。
うーん、買って良かったのか?

まず気になるガイドブック。何が書かれているのだろうか?全然大したことはない(笑)

他のページには、バービーは毎秒ごとに世界じゅうで3体ずつ売れている…とか、どうでもいい事が書かれている。

まず箱から出してみる。
頭ががっちり止めてあるが、他は以外と外しやすい。

このドレスはとてもきれいなデザインで、くすんだブルーという色、サテン地の素材もタフタのような押えた光沢で美しい。
胸元のカシュクールのドレープが女らしくてすてき。

中のアンダードレスはペチコートという作りで、ピンクのサテンと、下のレースが一体となっていて、ウエスト部分はゴムで、完全にアンダースカートである。
ピンクのスカート部分のドレープがきれいに出ている。

しかし、一番肝心な、そして恐ろしい事は、このドレスは人形に縫いつけてあり、脱がせられない、という事実だ。

今までにも幾つか、このように縫いつけられて脱がせられないバービーがあったが、入門用と歌っているバービーがこういうことというのは、少し不満が残る。

このバービーはインドネシア製だが、インドネシアの人は、人形に着せつけながら、ドレスを縫ったのだろうか。それはそれで大変な作業だ。

誰かこのドレスを脱がせる者が出て来ないかなあ。脱がせるには、糸をほどかなくてはならないのだが。

くつ。

この靴はとても素晴らしいデザインなので、このためだけにこのバービーを買ってよいと私は断言する。

顔のアップ。このフェイスペイントは、いろいろ意見があるかと思う。

せっかくクローズドマウスなのに三白眼で、どことなくピーターが入っている。

だけど、とてもゴージャスでコレクターバービーの面目躍如といった感じ。

因みにこの髪形は落ち着きにくく、毛がほろほろこぼれてくるのが困った。髪がちょっと柔かいのかも。

さて…

バービーの素晴らしさの一つは、ドレスデザインの良さだと思う。

例えば、比べて大変恐縮で悪いのだけれども、ジェニーの場合、ドレス…ロングドレスはどうしても、今一つ身に付いていないという不満を私は常に感じるのだ。

ジェニーに似合うのは、現代の少女の流行ファッションであって、隣の女の子、ティーンエイジャーファッションが一番似合う。

それに対して、グレイシージェニーなどのロングドレスものは、とても悪い言い方になるのだけれど、あまり良くない。
ドレスデザイン…というかパターンが良くない、生地も素材もシルエットももう一つ、ジェニーにあまり身についていないような気がする。

ジェニーのロングドレスは、丈だけロングで、生地を節約したような、ギャザーやスカートのラインが十分でなく、したがってシルエットがあまり美しくないのが残念なのだ。
また、ロングドレスはギャザーを多くすればいい、というのでもない。

バービーはアメリカの人形だが、アメリカとても、西部開拓時代があったわけで、その時代の女性の服は当然ロングドレスだった。
だから、やはりロングドレスの歴史があるので、バービーのドレスデザインが体に合っているのは、歴史の上から見ても、当然の事なのだろう。

ジェニーは人間のプロポーションを無視した体形で、その体にロングドレスを着せつけると不自然になる、ということもあるのかもしれない。

その点バービーは、人間に近いプロポーションなので、ロングドレスの、スカート部分の長さと大きさのバランスがとてもいいのだ。
だから、デザインもシルエットも美しく、またバービーが美しく着こなせるのに違いない。

バービーといっても、プレイラインのものには、時々生地を節約したような、釣鐘型のロングドレスがあるけれど、コレクターものは、それぞれ丁寧なパターン作りで、デザインされている。
それらを見るたびに、ロングドレスとは、ただ丈を足のつま先まで伸ばして長くすればそれでいい、というものではないということがよく分かる。
ロングドレスこそ、パターンをきちんと作り、体に沿うようにデザインしなければ本当の美しさが表わせないのである。

ただバービーは、箱の中に美しくディスプレイされ、むしろそこから出さないで飾っておくのを念頭に、生産されているきらいがある。
ロングドレスのデザインの美しさをなかなか出して楽しめないのが、何とも残念だ。

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