2004年2月14日のバレンタインデーに、世界に衝撃のニュースが駆け巡りました。 43年の長きにわたって婚約中だったバービーとケンが破局!新聞にさえ写真入りで報道された、この大型カップルの破局は、ファンの間にも賛否両論、大変な波紋を呼びました。 新しいバービーを売るための宣伝だということですが、ともあれ、バービーが世界的なニュースバリューのある存在であることを、改めて知らしめた事件でありました。 ウチでは、在りし日の仲むつまじいバービーとケンを偲んで、彼等の思い出の記念としてギフトセットをアップし、これからの二人の人生を応援するよすがにしたい、とこのように思うのです。 |
Ken & Barbie
as Romeo & Juliet 1998 ロミオとジュリエット 04/2/27 バービーとケンが、古今のラブストーリーの主人公に扮する、トゥゲザー・フォーエバー・コレクション・シリーズの第一弾として鳴り物入りで発売されたのが、この「ロミオとジュリエット」。 いつもは、バービー&ケンというクレジットですが、ロミ・ジュリは男性のロミオが先なので、こんな逆のクレジットになっています。 |
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シェイクスピアは、とても好きです。なかでも「ロミオとジュリエット」は、大学の研究に選んだくらい、好き。だからこの発売は嬉しかったです。
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私の買ったジュリエットは、三白眼でちょっとうん?て感じなんですが。寂しそうな顔です。クローズドマウスで、美人顔なんですけど。 シェイクスピアのジュリエットは、13歳という設定。ちょっとトウが立ってますか…。 |
新しいモールドを起された、ケンのロミオ。ハンサムではあるんです。なんだけど、何の屈託もなく笑っていて、ロミジュリの悲劇的なラブストーリーの面影も苦悩も、何にもないのが残念な限り… |
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ジュリエットの小さ目の帽子、三つ編みにした髪を金糸で括ってまとめたヘアスタイル、ハイウエストのドレス…と、映画そのままの衣裳です。色だけが地味になっています。 袖口や、裾は現代風にアレンジ? |
こちらはどちらかというとロミオというよりパリスというような感じですが… 袖が割れている部分に注目して下さい。当時は袖がパーツに分かれていて、そこを紐で閉じてありました。 |
というわけで、クアトロチェント(ルネサンス時代)の絵から、風俗を見てみましょう。 このギルランダイオの壁画は聖書に即した物語の一場面を描いたものですが、当時の風俗そのままを描いてあります。というのも、これはある名門が依頼した絵。中央の豪華なドレスの女性は、依頼主の娘だそうです。 |
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それはともかく、ここに描かれているドレスがクアトロチェントの女性の代表的なもの。 ハイウエストの切り換え、袖は身頃とは離れていて、紐で身頃とつなげられています。袖も筒状ではなく、肘の下が紐で閉じられているのが分かると思います。 髪が、ジュリエットのように真ん中分けで、後ろで1つにくくられて、垂らしてあるのも分かります。 ゼフィレッリは、こうしたイタリアに多く残る、ルネサンス期の絵画から、衣裳を参考にしてデザインしたものと思います。 |
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とても見にくいですが…。 デル・コッサの絵の1部分。 女性は髪をアップにし、ハイウエストのドレスにネックレス。胸を大きく開けて、女性らしさを強調したデザイン。 |
これはいわゆる宗教画ではなく、珍しく風俗画の壁画です。なので、郊外で男女が楽しそうに集う、のどかな場面を描いています。 |
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これも、上のデル・コッサの絵の部分。 男性の衣裳の特徴が良くわかります。 チュニック丈のひだのついたベストのようなものを着用し、ウエストはベルトでマーク。下にブラウスを着ていて、足にはぴっちりしたタイツをはいています。 |
「4月」部分 |
これは、有名なマンテーニャの絵の部分です。 こちらの男性の衣裳がより分かりやすいですね。 タイツの右足と左足が違う色です! ゼフィレッリの映画でも、男性は右と左の色が違うタイツをはいていました。しかもちゃんと、ブラゲッタを着用していました。この絵には描かれていませんが… |
カメラ・デリ・スポリージの壁画より 部分 |
ブラゲッタとは…ズボンの前の部分に、男性の○○を強調するためつけられた袋のこと(^_^;) ルネサンス時代の男性に大流行したファッションです。 それを見て、女性がうっとりしていたというのですが(^_^;)ルネサンスの人たちって…。 |
参考 「ルネサンスの人と文化」NHK市民大学 横山紘一 1987年
「週間グレートアーティスト」 同朋社出版 1990年
「週間朝日百科 世界の美術」 朝日新聞社 1979年